コーヒーさろんで感じた、兵庫の焙煎業界の厚み

先月28日、姫路のBIZ SPACE HIMEJIで開催された「コーヒーさろん」に、ロースターの一員として出席させていただきました。主宰は兵庫県コーヒー商工組合さん。「コーヒーロースターのための『ミートアップ』の場」という副題が掲げられた、第1部16〜18時・第2部18時15〜20時という2部構成の会です。会場を後にしたとき、胸には整理された視点と新しいご縁を抱えていました。その夜のことを、記録として残しておきます。

商工組合という場が、ちゃんと「対話」になっていること

コーヒーの商工組合というと、どうしても事務手続きや書類の場所に感じられてしまうことがあります。ところが兵庫県コーヒー商工組合さんの会は、最初に組合のご案内があり、その後すぐに自己紹介のラウンドに入ります。「営業」ではなく「それぞれの設備の特徴」を語る。「業界における自らの立場・役割」を話す。立場の違いが、そのまま自己紹介の核になる構成でした。

自己紹介のラウンドが終わったあとは、2人の講師の先生から奥行きのあるお話が続きます。会場のロースターたちは、誰もが静かに抱えている問い——需要の行方、業界の今後——を、それぞれ胸のうちに置きながら耳を傾けていました。懇親を含めた夜の構成全体に、緩急と誠実さがある。主催者の方が丁寧に場を整えてくださったことを、まず記しておきたいと思います。

2人の講師のこと

プログラムの軸になっていたのは、焙煎機やその周辺機器を、長年にわたってつくってこられた2社のお二人でした。

スクリーンには、「FUJI ROYAL ブランド」「ブラジレイロ」「寺本豊彦」といった文字が並んでいました。ブラジル政府による日本での2回目の導入機として「ブラジレイロ」が始まった経緯、戦後すぐの東京・銀座に花開いた自家焙煎の文化、そしてFUJI ROYALへと受け継がれてきた焙煎機の系譜——教科書には載らないけれど、製造の側にいる方でなければ語ることのできない歴史が、淡々と語られていきます。

ひとことで言って、これは「営業」のお話ではありませんでした。自分のつくってきたものを、自分の言葉で、自分の立ち位置から話す。機械の話をする方はもちろんのこと、機械を「使い倒す」側の方々のお話にも、同じ姿勢が貫かれていました。会場にはメーカーの矜持と、現場の矜持が、同じテーブルの上に静かに並んでいました。

会の最後に思ったこと

懇親の時間では、年次の異なる焙煎所の方々が自然に言葉を交わしていました。既存の会員と新しい顔ぶれが、本音でつながる時間。商工組合の本来の役割——人と人をつなげること——が、この晩はきちんと果たされていたと思います。

姫路を後にするとき、車窓には新しいご縁と、兵庫のコーヒーコミュニティへの敬意が、静かに積もっていました。次回もぜひ参加させていただきます。