Ethiopia Samurai Natural――エチオピアと神戸、西村珈琲とBlack Samurai Coffeeが生み出した一杯

一杯のコーヒーが生まれるまでには、目に見える以上に多くの人と仕事が関わっています。

生産者がコーヒーを育て、精製・輸出のパートナーが産地から送り出し、輸入事業者が日本へ届ける。そして、ロースターがその豆と向き合い、焙煎し、商品として仕上げる。

「Ethiopia Samurai Natural(エチオピア・サムライ・ナチュラル)」は、こうした異なる場所、異なる専門性を持つ人々の仕事が、一つの商品という形でつながったコラボレーションです。

これは、単にエチオピア産コーヒーを販売したという話ではありません。

エチオピアの産地と神戸のコーヒー文化。

Black Samurai Coffeeの調達と、西村珈琲の焙煎・商品づくり。

そして、一杯のコーヒーを楽しむお客様。

その間をつなぐことで生まれた、一つの具体的な成果です。

コラボレーション商品「Ethiopia Samurai Natural」のドリップバッグを手にするカミール・オルビッソと吉谷様。

商品が生まれるまで

この商品は、一度の商談から突然生まれたものではありません。

その背景には、Black Samurai Coffeeと西村珈琲の間で積み重ねられてきた対話と関係があります。

2021年10月5日の最初の面談から、2023年6月の初めてのエチオピア産コーヒーの供給、そしてその後の継続的な交流。

一つひとつのやり取りを重ねる中で、双方がそれぞれの強みや考え方を理解し、この関係をどのような形で発展させていけるのかを考えるようになりました。

Black Samurai Coffeeにとって重要だったのは、単にエチオピア産コーヒーを日本へ届けることではありません。

産地で築いてきた関係や品質への考え方を、日本のコーヒー文化やお客様の期待につなげることでした。

一方、西村珈琲には、長年にわたって神戸でコーヒーと向き合ってきた経験、焙煎技術、そしてお客様に商品を届けてきた知識があります。

それぞれが持つものを組み合わせることで、新しい可能性が生まれました。

エチオピアのコーヒーを、神戸から届ける

「Ethiopia Samurai Natural」は、Black Samurai Coffeeが調達したエチオピア産コーヒーを使用し、西村珈琲が焙煎・商品開発を行ったコラボレーション商品です。

そこには、それぞれの役割があります。

Black Samurai Coffeeは、エチオピアのコーヒー生産地との関係を基盤として、コーヒーの調達と日本への供給に取り組んできました。

そして西村珈琲は、そのコーヒーを日本のお客様に届けるための焙煎と商品づくりを担いました。

つまり、この商品は、どちらか一方だけでは完成しません。

産地で生まれたコーヒーと、神戸で培われた焙煎・商品づくりの経験が出会うことで、一つの商品として形になったのです。

Ethiopia Samurai Naturalは、エチオピア産コーヒーと神戸の焙煎・商品づくりの経験を組み合わせたコラボレーション商品です。

「Natural Samurai」という名前に込められたもの

このコラボレーションは、私たちの間では「Natural Samurai(ナチュラル・サムライ)」という呼び方でも知られています。

その名前には、単なる商品名以上の意味があります。

「Natural」は、エチオピアのコーヒーとその精製方法、そして産地が持つ個性を表しています。

一方、「Samurai」は、この商品がBlack Samurai Coffeeと西村珈琲という、異なる背景を持つ二つの組織の出会いから生まれたことを象徴しています。

ここで大切なのは、名前そのものよりも、その背景にある関係です。

商品名の中に、産地と日本、そして二つの企業の協働が表現されています。

2025年4月、商品として形になった瞬間

2025年4月、吉谷様からカミールに、両社のブランドをあしらったドリップバッグをお渡しいただきました。

私たちにとって、この瞬間には特別な意味がありました。

2021年に初めて握手を交わしたとき、この関係が一つの商品として形になることを知っていたわけではありません。

それから数年にわたり、対話を重ね、コーヒーを供給し、SCAJなどの場でも交流を続けてきました。

そして、その積み重ねが、実際にお客様の手に取っていただける商品になりました。

それは、関係そのものが一つの具体的な形になった瞬間でもありました。

神戸にしむら珈琲店 中山手本店にて、焙煎機を前に語り合うカミール・オルビッソと吉谷様。

一つの商品に込められた四つの仕事

「Ethiopia Samurai Natural」は、一つの企業だけで完成した商品ではありません。

その背景には、いくつもの仕事があります。

1. 産地でコーヒーを生産する人々

まず、エチオピアのコーヒー生産者がいます。

コーヒーの品質は、最終的な焙煎だけで決まるものではありません。

栽培、収穫、精製、保管など、産地で積み重ねられる仕事が、一杯のコーヒーの基礎になります。

2. Black Samurai Coffeeの調達と供給

Black Samurai Coffeeは、エチオピアの産地と日本市場をつなぐ役割を担っています。

私たちにとって、これは単なる商品の輸入ではありません。

生産地で築いた関係を、日本のロースターやコーヒー企業との新しい関係へつなげることも重要な役割です。

3. 西村珈琲の焙煎と商品開発

産地から届いたコーヒーは、焙煎によって新しい表情を持ちます。

西村珈琲は、長年培ってきた焙煎と商品づくりの経験を通じて、このエチオピア産コーヒーを日本のお客様に届ける形へと仕上げました。

4. そして、お客様へ

商品の価値は、パッケージだけで決まるものではありません。
一杯を飲むお客様が、そのコーヒーをどのように感じ、どのような時間を過ごすのか。
そこまで含めて、商品としての価値が形づくられていきます。

この意味で、「Ethiopia Samurai Natural」は、生産地から日本のお客様まで続く長いコーヒーの流れの一つの終着点であり、同時に新しい出会いの始まりでもあります。

神戸にしむら珈琲店のテーブルで、「Ethiopia Samurai Natural」とともに仕事と向き合うひととき。

協働することで生まれる新しい価値

私たちは、この商品から一つのことを学びました。

協働とは、それぞれが持っているものを単純に足し合わせることではありません。

異なる経験、知識、技術、ネットワークを組み合わせることで、単独では生み出せなかった新しい価値をつくることです。

Black Samurai Coffeeは、エチオピアの産地との関係や調達の経験を、日本の市場につなげる役割を担っています。
一方、西村珈琲には、長年培ってきた焙煎技術と、日本のお客様にコーヒーを届けてきた経験があります。
それぞれが異なる強みを持ち寄ることで、一つの商品として新しい価値を形にすることができました。

だからこそ、パートナーシップには意味があります。

産地を知る側と、日本のお客様を知る側が出会うことで、一杯のコーヒーに新しい物語が生まれます。

「Ethiopia Samurai Natural」が示していること

私たちにとって、この商品は一つの完成品であると同時に、これからの可能性を示すものでもあります。

エチオピアをはじめとするアフリカのコーヒー産地には、それぞれ異なる品種、地域、精製方法、文化、そして人々のストーリーがあります。
日本には、それらの違いを理解し、丁寧に紹介し、新しい価値として届けることのできるロースターやコーヒー企業があります。

この二つをつなぐことによって、産地と市場の双方に新しい可能性を生み出すことができます。

「Ethiopia Samurai Natural」は、その可能性を一つの具体的な形として示した商品です。

そして私たちは、この経験を、今後の日本とアフリカのコーヒー関係をより深めていくための一つの土台としていきたいと考えています。

一杯のコーヒーから、その先へ

「Ethiopia Samurai Natural」は、Black Samurai Coffeeにとって単なるコラボレーション商品ではありません。

それは、

エチオピアの産地と神戸。
生産者とロースター。
調達と焙煎。
アフリカと日本。

それぞれを、一杯のコーヒーを通じてつないだ一つの成果です。

2021年に始まった関係が、2025年には一つの商品として形になりました。

しかし、私たちはそれを終着点とは考えていません。

一つの商品が、新しい対話を生み、新しい関係を生み、次の可能性につながっていく。

それこそが、私たちがパートナーシップを大切にする理由です。

Black Samurai Coffeeはこれからも、エチオピアをはじめとするアフリカのコーヒー生産地と、日本のコーヒーコミュニティをつなぎながら、一杯のコーヒーの向こう側にある人々、技術、文化、そして新しい可能性を伝えていきます。