出荷前に、まず耳を傾ける

神戸のロースターとともに、エチオピアコーヒーをカッピング

Black Samurai Coffeeは、神戸のコーヒー専門家の皆さまと、グジおよびイルガチェフェ産コーヒーを評価し、率直な意見を交わしながら、日本市場のニーズへの理解を深めました

コーヒーが出荷され、販売され、消費者へ紹介される前に、まずその品質がカップの中で信頼を得なければなりません。

Black Samurai Coffeeはこのたび、川上珈琲で開催されたカッピングセッションに参加し、THE SOWERS KOBE、Coffee Labo Frank、Round Point Cafe、Ever Green Coffeeのコーヒー専門家の皆さまとご一緒する貴重な機会をいただきました。

今回のセッションには、焙煎経験、顧客層、コーヒーへのアプローチがそれぞれ異なる皆さまが集まりました。一方で、全員に共通していたのは、品質を真摯に追求し、コーヒーを率直かつ専門的に評価しようとする姿勢でした。

Black Samurai Coffeeにとって、今回の機会は単なる商品紹介ではありません。

何よりも、皆さまの声に耳を傾けるための場でした。

カッピングは、産地の物語と市場の現実が向き合う場です。

どれほど魅力的な背景を持つコーヒーであっても、その品質、風味、一貫性、用途が顧客に適しているかどうかを最終的に判断するのは、実際にコーヒーを扱うロースターの皆さまです。

エチオピアコーヒーの多様な表情を探る

今回のセッションでは、Black Samurai Coffeeより、グジおよびイルガチェフェ産のエチオピアコーヒーをご紹介しました。

対象となったのは、次の異なる精製方法によるコーヒーです。

  • ナチュラルプロセス
  • ハニープロセス
  • アナエロビックプロセス

精製方法の違いは、コーヒーがカップの中でどのような個性を示すかに影響します。

ナチュラルプロセスでは、果実感のある甘さや、比較的豊かなボディが表れやすい傾向があります。

ハニープロセスでは、クリーンさ、甘さ、質感のバランスが感じられることがあります。

アナエロビックプロセスでは、発酵工程の管理方法によって、より強く個性的な風味や、従来とは異なる香味特性が生まれる場合があります。

ただし、精製方法の名称だけで、コーヒーの品質が決まるわけではありません。

参加者の皆さまには、それぞれのコーヒーについて、香り、風味、酸味、甘さ、ボディ、バランス、後味などを総合的に評価していただきました。

この視点は非常に重要です。

Black Samurai Coffeeは、精製方法が新しいから、あるいは産地名が有名だからという理由だけで、コーヒーを選ぶべきではないと考えています。

一つひとつのロットを総合的に評価し、それぞれのロースターが想定する用途や顧客に適しているかどうかを考える必要があります。

ロースターからの率直なフィードバックが重要な理由

日本のロースターの皆さまは、コーヒーサプライチェーンにおいて欠かすことのできない、市場側の視点を持っています。

ロースターは、次のような点を深く理解しています。

  • どのような風味が顧客に受け入れられる可能性があるか
  • 生豆が異なる焙煎方法にどのように反応するか
  • 継続的な購入に必要な品質の一貫性
  • 品質と価格のバランス
  • 商業的な判断を行うために必要な情報

輸入事業者にとって、こうしたフィードバックに耳を傾けることは極めて重要です。

それによって、コーヒーが単に「おいしい」かどうかだけでなく、実際に市場で扱う価値があるかを理解することができます。

あるサンプルが高い評価を受けたとしても、価格、数量、焙煎との相性、継続供給の可能性について、さらに検討が必要な場合があります。

一方、最も強い印象を与えるコーヒーではなくても、安定性や汎用性が高く、買い手の事業に適している場合もあります。

どちらのフィードバックにも、大きな価値があります。

Black Samurai Coffeeは、市場から得られた意見が一方向で終わるべきではないと考えています。

日本のロースターから得た声を、私たちの調達判断へ反映し、さらに日本市場の評価を産地のパートナーへと還元していく。

この双方向の情報共有によって、生産されるコーヒーと、市場が実際に購入したいコーヒーとの間に、より良い一致を築くことができます。

トレーサビリティは、品質と信頼を支えるものでなければならない

今回のセッションを通じて、コーヒーそのものの品質に加え、適切な情報を提供することの重要性も改めて確認されました。

ロースターや買い手の皆さまは、次のような情報への関心を高めています。

  • どこで生産されたコーヒーか
  • 生産地域や具体的な産地
  • 確認可能な場合は、生産者、協同組合、加工事業者
  • 精製方法
  • 収穫年やロット情報
  • 品質および船積み状況
  • 将来、同様のコーヒーを再び供給できるか

トレーサビリティは、商品を魅力的に見せるための言葉として使用されるべきではありません。

その本当の価値は、買い手が何を評価しているのかを理解し、より確信を持って購入判断を行えるようにすることにあります。

Black Samurai Coffeeは、産地やロットに関する情報を、正確かつ適切な範囲で伝えることを重視しています。

確認できている情報については、明確に提供します。

一方で、情報に限界がある場合には、実際以上に追跡可能であるかのように表現するのではなく、その限界を率直に伝えることが、より責任ある姿勢だと考えています。

透明性と品質は、互いを補強するものでなければなりません。

需要を起点としたコーヒー供給へ

今回のセッションが行われた時点で、対象となるコーヒーは出荷準備の段階へと進んでいました。

そのため、今回の意見交換には、特に大きな意味がありました。

コーヒーが日本へ到着した後に初めて買い手を探し始めるのではなく、早い段階で市場と対話することによって、次の点を確認できます。

  • どのコーヒーに実際の関心があるか
  • 想定される購入数量
  • 買い手が必要とする追加情報
  • 到着後、どのサンプルを優先的に評価すべきか
  • どの程度の期間で購入判断が行われるか
  • どのコーヒーがどの顧客層に適しているか

こうした需要起点のアプローチは、輸入事業者と供給者の双方にとって、不確実性を減らすことにつながります。

また、より責任ある調達判断や、適切な在庫計画にも役立ちます。

その目的は、参加者の皆さまに直ちに購入を求めることではありません。

双方にとって現実的な商業関係が成立する可能性があるかどうかを判断するために、十分な情報と理解を得ることです。

架け橋となるためには、双方の声に耳を傾ける必要がある

Black Samurai Coffeeの使命は、品質、信頼、透明性、そして長期的なパートナーシップを通じて、アフリカのコーヒー生産地と日本のコーヒーコミュニティをつなぐことです。

架け橋となることは、単にコーヒーを一つの国から別の国へ運ぶことではありません。

産地と市場、双方の声を丁寧に聞くことが必要です。

産地では、生産状況、精製方法、供給可能な数量、そして現地パートナーが直面する課題を理解しなければなりません。

日本では、品質への期待、顧客の嗜好、価格、納期、ロースターが購入判断を行う際の考え方を理解する必要があります。

意味のある架け橋は、情報を一方向に運ぶだけではありません。

双方の間を行き来させるものです。

今回共有いただいた意見は、日本でのコーヒーの紹介方法だけでなく、産地パートナーとのコミュニケーションや、今後の調達判断にも活用してまいります。

神戸のコーヒーコミュニティへの感謝

今回、貴重なお時間、専門的な知見、そして率直なご意見を共有してくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。

以下の皆さまに、改めて御礼申し上げます。

  • 川上珈琲
  • THE SOWERS KOBE
  • Coffee Labo Frank
  • Round Point Cafe
  • Ever Green Coffee

今回のセッションの価値は、単にコーヒーを試飲したことだけではありません。

専門家同士がそれぞれの印象を比較し、疑問を共有し、経験に基づく意見を率直に交換できる場が生まれたことにあります。

こうした開かれた意見交換は、神戸のコーヒーコミュニティが持つ大きな強みの一つです。

今後に向けて

今回ご参加いただけなかった皆さまにも、Black Samurai Coffeeは今後、出荷準備の進捗を随時お知らせしてまいります。

コーヒーが日本へ到着した後は、次の取り組みを進める予定です。

  • 到着ロットの品質確認
  • 追加カッピングセッションの開催
  • 産地・商品情報の共有
  • 適切な数量や納品スケジュールの協議
  • 買い手からのフィードバックの継続的な収集と対応

川上珈琲での今回のセッションを通じて、最も有意義なコーヒーの対話とは、率直で誠実な対話であることを改めて実感しました。

その対話は、「このコーヒーをどう販売するか」という問いから始まるものではありません。

まず、次のことを考えるところから始まります。

カップの中に何があるのか。
その価値を誰が必要としているのか。
そして、そのコーヒーに対する信頼を築くために、私たちは何をすべきなのか。

Black Samurai Coffeeは、これからも日本のコーヒー専門家の皆さまと緊密に連携しながら、これらの問いに責任を持って向き合ってまいります。

そして、私たちが紹介するコーヒーが、その生産に携わった人々の努力にふさわしい品質、情報、関係性によって支えられるよう、取り組みを続けてまいります。